心血管難病の診療

心血管難病の診療について

当科では、高安動脈炎、心サルコイドーシス、心アミロイドーシス、心ファブリー病、閉塞性肥大型心筋症、拡張型心筋症といった「心血管難病」の診療を行っています。これらの病気は比較的発生頻度の少ない疾患ですが、心臓や血管の機能に大きな影響を及ぼすことがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。さまざまな臓器の症状が重なり、患者さんは複数の診療科を受診されることもあります。

当センターでは、これら心血管難病の診療に力を入れています。いずれの疾患ともに正確な診断および特殊治療が必要ですが、早期診断、早期治療によって回復が見込める疾患です。

高安動脈炎は、若年女性に多くみられる大血管の炎症性疾患で、動脈の狭窄や拡張による臓器障害を引き起こします。ステロイド剤やトシリズマブをはじめとする免疫抑制薬による炎症のコントロールが基本治療ですが、外科治療が必要になることもあります。

心サルコイドーシスは、全身性の炎症性疾患で、心臓に炎症が及ぶと不整脈や心不全の原因となります。画像検査や心筋生検をもとに診断し、ステロイド治療が行われます。

心アミロイドーシスは、異常なたんぱく質(アミロイド)が心臓に沈着して心機能が低下する疾患で、早期診断と病型に応じた治療が必要です。近年では新しい治療薬も登場しています。

心ファブリー病は、遺伝性の代謝異常症で、心肥大や不整脈を引き起こすことがあります。酵素補充療法や新しい内服薬により、進行の抑制が期待できます。

閉塞性肥大型心筋症は、心筋が分厚くなり、血流の通り道が狭くなることで、息切れや胸痛、不整脈が生じる病気です。重症の場合はカテーテル治療・手術が治療の選択肢に挙げられますが、最近になって新しい治療薬が登場しました。

これらの疾患は、専門的な診断と個別に合わせた治療が求められるため、当センターでは各分野の専門医が連携し、最新の知見に基づいた診療を行っております。症状や検査で気になることがある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

担当医師(外来日):前嶋康浩(毎週水・木曜日午前)

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